2023年2月5日日曜日

VOLVO XC40 Ultimate B4 AWD MY2023

 V60PolestarからXC40 B4に乗り換えました。


 XC40ですが、まぁ不思議な車です。
 一応車の格?的な区分けから行くとCセグメントのSUVとなりますが、全長以外はDセグメントと言っておかしくないサイズ。特に全幅なんてお兄さん分のXC60を超えています。

 VOLVOは創業からの安全第一という姿勢だけはぶれないけど、特に優れたテクノロジーや目玉となる機構があるとも言えない。工業製品としての品質もまぁ…。
 時流や親会社に流されて方針はブレブレになりますが、なんとかVOLVOとして自分勝手にやってるっていう印象は維持したい。

 質実剛健というイメージから抜け出したくて、上司からスポーティに振ってみろって言われたけども、うちの車はそういう文化じゃないだろっていう開発者の意見が見え隠れする車作りをしてるように見えた、私が乗っていたV60くらいの世代。
 よし、気前の良い親会社の下に入って自由にやらせてもらえるからプレミアムに行ってみるぜ!ってちょっと背伸びをしてみた現行XC90世代だけど、そしたら親会社にプレミアムはPolestar社で行くからって言って、ハシゴを外されちゃった世代。
 じゃぁスポーティに行くかといえば、それはまた別ブランドでってなったので、んじゃ好きなようにやりますってなったのが、XC40だったのかもしれないです。ちょっとプレミアムやスポーティ競争から一歩退いて車作りをしたいと。そして本格的な電動化を見据えて。

 そんな面もあってXC40は気合を入れて作ったのか、力を抜いて作ったのかちょっとわかりにくい車です。

 サイズの件、おそらく性能優先じゃなくて、デザイン優先でああなったのではないかと思います。社運をかけた必死さがあまり感じられません。
 実用性が強く求められるCセグメントSUVで全幅が1870mmなんていうのは正気では設計できないと思います。
 その他にも、長いホイールベースや広いトレッド、Cセグメントの枠を飛び出た外径の大きなタイヤ。

今時珍しいくらい分厚いタイヤは、乗り心地の良さにつながっている反面、若干挙動が曖昧に感じてしまうというデメリットもありますが、この車の正確にはよくマッチしています。


 これら足が大きくて四隅にぎゅっと踏ん張ったような車はかっこいいのですが、実際に設計しようと思うと難しく、断念しようってなるのが普通です。


 ですがXC40はこの姿で生まれてきました。
 これは車の基本となるプラットホームがCからDセグメント用と、そもそも一つ上の車格でも使用する事を前提することで可能となったのだと思います。
 というか、プレミアムブランドで発売されているPolestar 2は、XC40と同じプラットホームから作られていますが、Polestar2は何とDセグメントです。
 自社系列プレミアムブランドが格上の車を作る際に使うプラットホームを使っちゃう、贅沢さ。

 その割にはフロントサスペンション形式がマクファーソンストラットとなっており、この幅あればダブルウィッシュボーン式でも良いだろう(実際これよりも幅の狭いXC60はダブルウィッシュボーン式)と思いますが、これはXC40がたまたま幅広で作られただけで、このプラットホームはもっと幅の狭い車にも使えるようにという事だと思います。この辺はコストダウンの意識も見えます。
 サスペンションは形式で決まるものじゃなくて、車体を含めた設計が重要になりますから、ストラット式だからダメってことはないですし、何よりVOLVOは長い間フロントマクファーソンストラットを使ってますから、そのノウハウはバカになりません。


 XC40、運転している感じは完全にDセグメントの車です。これはびっくりしました。しかし装備や内装、遮音性はCセグメントなので、それなりにコストは抑えて作られてますし、手抜きしてるなぁというところも散見されます。
このチグハグさ加減が、この車の評価が絶賛か酷評かに別れている理由ではないかと思います。

 シートの出来や内装の質感はXC60やXC90には遠く及びません。ハードプラスチックの部分が多いですし、それを隠そうともしていません。装備も限定されていますし、プレミアムブランドとして見るならば、そういうところにもっと気を遣っている車はいっぱいありますし、さらに車両価格がもっと安くてもそのへんちゃんとしてる車もありますから、見劣りしています。

ドリフトウッドと言う木のざらざらした質感の装飾と、間接照明がおしゃれです。

 ただ、デザインが上手く、チープではあるんだけどそれを上手く力の抜けた感じに繋げていてなんとも言えない心地よい空間に仕上げてあります。あと小物入れやフックが多くて日本のトール軽自動車顔負けなのはびっくりしました。

グローブボックスに装備されてるコンビニフックは本当に便利です

 運転した感覚も評価が分かれることでしょう。
 プレミアム感を演出したければ、とにかく操作系を重く渋くしてそれをしっかり感として演出するとか、ハンドルやアクセル、ブレーキの操作に対して意図的に過敏にする領域を作っておぉって思わせる。
 とにかくロールしにくくしたり、ストロークを短くして固くして凸凹を拾う足回りをダイレクト感があると言い、突っ張ってるだけのことを姿勢変化が少ないとかフラットライドとかってする。コストとサイズに制約がる中でわかりやすくプレミアム感を演出するにはそういう手法が取られやすいです。
 そういうのが高級と思って運転すると、なんて柔くて特別感もなくチープな乗り味なんだと評価されるのはわかります。

 操作感は軽くて穏やか。サスペンションもストローク感がたっぷりして、無理矢理抑えている感じはありません。

 これはサイズをこれだけ自由にやらせてもらった良い面での影響です。
 長いホイールベースは完全EVにも対応すべく、前後的重心位置に対する許容量を増やす目的もあると思いますが、マイルドハイブリッド車においてもバランスが良くて、ハンドリングにも好影響ですし、何より横風に対しての安定性がものすごく良いです。これはびっくりしました。
 ロール感もとても自然ですが、これも無理やり押さえつけるんじゃなくて、トレッドが1600mmもあるという物理的なメリットを活かしたセッティングです。
 サスペンションの設計した人は、広いトレッド、大きなホイール、高い最低地上高と、設計に対する自由度が高く、かなり自由に設計できて楽しかったと思います。

 VOLVOはFFでも四輪駆動においても、いわゆるFF(ベース)っぽい事を隠さず、とにかく真っ直ぐ走って、ゆったりとロールしながら、ちょっとだけ軌道が膨らみながらまっがっていく、とにかく安定思考のハンドリングにしようとしているのではないかと思います。
 ロールしない車の方がコーナーも安定してるし怖さもないと思われがちですが、無理やり突っ張ってある瞬間から急にぐらっと来る方が余程怖いです。
 また、ずっと突っ張ったまま突然限界を超えて乱れてしまう車より、ロールをする事でどれくらい限界に近いのかを教えてくれ、限界付近でも穏やかに挙動する方が、いろんな環境で走り、予想外の事態が常に起こりうる一般道ではあっているのではないかなと思います。
 あんだけスポーティーに振った特別仕様のV60 Polestarでもそれは変えなかったので、VOLVO開発陣はそれが良いんだと思っているのではないかと予想します。

Polestarはどこも過激なところがなく、乗り心地も良い車でした。

 それが合わない人は、多分この車は価格に見合わない安っぽい操作感の車ということになると思いますし、とにかく真っ直ぐ走って操作に過敏なところがなく、運転してて疲れないという事を重視する人は、値段なりもしくはそれ以上に良い車に感じるのではないか。

 前置きが長くなりましたがXC40、私はそれほど期待せずに買いましたが、買ってみたら思った以上に良くてびっくりしました。

実用燃費も思ったより良かったです。

 プレミアムカー争いから一歩引いたところに位置する、良い脱力感のある車です。
 登場してから4年以上経ち、色々不具合も出し尽くして熟成してるかなと思いきや、何をVOLVOさんやる気出してるのか、毎年のように新い機構を投入し続けて、このモデルでもエンジン、ミッション、インフォティントシステムが新い機構になっています。アピール全くしてませんが予防安全のシステムも何かやってるみたいです。


 これらが不具合起こさないか心配ですが、これからもよろしくお願いします。

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新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。 皆様にとって今年が良い一年となる事を心よりお祈りいたします。 何卒よろしくお願いいたします。